2007年4月19日木曜日

葉巻岩窟王





我々はまだ蒸し暑い熊野の夏の終わりに、これまでいく度々なく訪れている我々のみが知るシガーポイントに向かった。それは、白浜の京大海洋研究所裏の塔島周辺の海岸の奇岩郡の場所である。ここは白浜でも殆ど人が来ない隠れ家のような所で、奇岩が海を半周囲んでいる場所である。我々は誰も来ないシガーポイントステージとして時折ここを訪れるのである。我々は今日も岩場の裏手に回り込み奇岩が風化し少し穴になっている所に腰を下ろしシガーを吹かすのであった。モンテクリスト5番を取り出し火を点け吹かす。そして周りの風景に目をやる。本日は台風の余波の影響と,潮が少し満ちている状態なので奇岩に打ち寄せる波が大きい。時折、ドゴッと波の炸裂する音がこのステージに響き渡るのである。ここの風景は見飽きる事がない。自然の織り成す好奇な風景。奇岩、波、風、遠くの海とその向うの風景、波の炸裂音、とんびが鳴いて一仕事をしてくれている。そのようなシチュエーションの中で我々はシガーを吹かし、今までの熊野シガー生活の集大成であり、やがて我々は自然と一体となり、我々自身がこの奇岩と一体化していく様な感覚に捉われる。そして我々は岩窟王と化すのであった。

0 件のコメント: