とある日曜の夕方、我々はいつもの如くサンセットをカメラに収めるべく、紀伊半島の西側のほぼ中央に位置する田辺湾の中心、中さんお気に入りの歩いていける近所の扇ケ浜へと出かけた。左手に白浜半島が見え、右手にはナショナルトラスト運動の日本でのはしりになった天神崎が湾内にぐるっと見渡せられる風光明媚な良港である。今は海浜公園としての工事中なのだが、完成すれば、ここもいいシガーポイントにな
るだろうと思われる所である。日中は既に暖かなのであるが、今日の夕方は風が強く少し寒い。我々は風を凌ぐことが出来そうな護岸の壁際に身を隠した。「春は曙、秋は夕暮れ」と昔の人は詠んだものだが、今の春の海のサンセットは水平線が霞んでいることが多く、秋ののくっきりとした太陽を望むのは難しい。陽が海に沈む位置も秋の頃よりだいぶずれてしまっており、いい位置を探すのも難しくなっている。我々はカメラに風景を収めるのをしばし休め、シガー(方やドン・ファンウルキジョー・ミニシガリロ、此方キンテロ・ブレバス)で一服していたら、子犬を連れた子供達がやって来た。我々を見つけるとやって来て、女の子が「この犬、かわいいんや、私のこと好きなんや、かわいいなぁ」と言い、その時男の子が我々の葉巻を見て、「おっちゃん、そのタバコ大きいなぁ」、女の子が「アメリカのタバコ違うか」と言ったので、我々は「そうや、アメリカ製や」と言う。今度は男の子は「そのタバコいくらするん?」とゆうので、我々は「500円」と言ったら男の子は「高ぁー」と言った。その子の親はタバコを吸うのだろう。その子供達は今時の子供にしては珍しく、元気そうで、この寒さでも関係なさそに我々のいる所を行ったり来たり犬を連れて走り回っていた。今度は我々のデジカメを見つけると「撮って、撮って」と言い、しまいにはカメラを取り、自分達でいろいろなポーズをして写真を撮ってひとしきり遊んでまた、風の中に走っていったのだった。
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