熊野地方も師走に入り、今年は去年に比べ冬の寒さがやって来るのが早く感ぜられる中、冬枯れの山中にワビ・サビを感じながらシガーに遊ぶとゆう熊野シガー倶樂部的行動を見つけるべく、炭焼き小屋を訪ねた。炭焼き小屋から立上る煙は少し遠くからでも優しく、香ばしい薫りがしていた。まるで葉巻のラッパーの香りとよく似た感じである。昔、炭は動力資源として利用され、木炭自動車(オート三輪)が巷を走っていた時代もあったみたいだ。今日では調理用、消臭、防湿等が一般的な利用で、又、文化的な利用としては正月用にもあるように炭飾りとゆう古風な芸道を感じさせるものやコンテンポラリーなオブジェ的なものもある。熊野地方では、炭の原料にウバメガシを使用し、出来た炭は白炭であり、硬度も一番硬く、炭の中でも最高級品の備長炭である。燃焼性において優れ、料理用として都会の高級料理店でも必ずと言っていいほど珍重されている逸品である。炭に火を点け、いこらす。「いこらす」とゆうのは燃やすとゆう意味だが、熊野地方の方言だろうか、辞書にも載ってないが、普通、熊野地方のここら辺では「炭をいこらす」と言う。「炭いこらしたってよー」「おっ、いこってきた、いこってきたでー」とゆうふうに。備長炭の使用としての正しい言い方であろう。さすれば、炭にも気は通ず。いい料理が出来るに違いない。ハイソな店には是非この言い方をお奨めする。
築窯を見学した後、我々は炭の香ばしい薫りがする中、シガーに火を点けた。葉巻が燃える(いこる)様は、備長炭がいこる(燃える)様と良く似ている。
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