山を降り、海沿いのルートで再び目指す。沖の方まで続いている岩場を歩き、小さなビーチを横切り、大きな岩の立ち並ぶ島の裏手に出た。ちょっとした景勝地のような景観である。立ち並ぶ岩の間の海のコリドーになっている場所を岩づたいに足を踏み外さないように進む。海水の浸食で所々欠けてしまっている岩のステップを渡り、洞穴のある小さな浜辺に出た。洞穴の上の方は少し断崖になっており、生えている樹木の太い根がいくつも地表に剥き出しになっている。ブッタが悟りを開いた菩提樹の樹を思わせる。洞穴は二つの縦穴が外から見えていて、中は繋がっており、さらに左右に広がっていた。洞穴の天井半分は無く断崖の樹が見えていて明かりが漏れてくる。我々はここでシガーを吸う。タバカレラ・コロナ・スマトラだ。(・・・スマトラ以外には無いであろう。ボルネオやカリマンタン等があるとすれば別であるが・・・)ここは潮の満ち引きによりここに来るまでのルートが海に閉ざされてしまう、月の陰陽の影響を受けるスポットなのである。
熊野シガー倶樂部ならではのシガーポイントだろう。帰りはやはり潮が満ちてきつつあり足を海につかりながら、帰らねばならなかった。日暮が近づいてきつつあったので我々は再び山に登り夕陽を待つことにした。シガーを吹かし少し待つ。すると曇天の雲の下と水平線の僅かな隙間に太陽が現われた。いい感じのオレンジの太陽だ。水平線に続く波間に陽光が1つづつ揺らいでいる。沈む間際の太陽は一瞬大きくなった様に見えてスッと沈んでいった。ここからのサンセットは素晴らしい。ここも熊野シガー倶樂部的スポットであった。自然が織りなすビューティフルポイントでシガーを吹かす。ネイティブアメリカンの行う神聖な儀式の如くにである。
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