2007年4月19日木曜日

Fire the cigar like a native americans part2

田辺湾を挟んで、白浜半島の向い側に岩場がぐるりと周りに広がっている天神崎が突き出ている。その北東の沖200m位に浮かぶのが元島である。小さな島である。陸地から防波堤が島まで続いており、歩いて島まで渡れるようになっている。突堤はいつも釣り人が糸を垂らしている。我々はその人々の後ろを通り過ぎ元島に上陸した。我々が目指すポイントは今いる所から島の反対側にある洞穴である。この島の内陸を通り、20年程前の記憶をたどりつつ洞穴を目指すことにした。おもむろに獣道のような草の間を登っていった。山の尾根づたいに進んでいった。ウバメガシや下笹の潅木が生い茂り、ゆくてのクモの巣を払いのけ、無謀に進んでいったのだった。途中で微かな道の後が途切れてしまった。尾根から下に降りるのはとても無理なので、戻るのもだいぶ骨の折れる距離だが戻る他ない。しかし、戻る途中で少し違う雰囲気が感じられた。払ったはずのクモの巣が多いのだ。立ち止まり少しまた違う方向に進むが道が分からない。今さっき来た方へ行くことにした。記憶に思しき木の所で、道を探して方向を考えてみる。分かった。もと来た道を発見した。我々は少しルング・ワンダルングしてしまったらしい。

山を降り、海沿いのルートで再び目指す。沖の方まで続いている岩場を歩き、小さなビーチを横切り、大きな岩の立ち並ぶ島の裏手に出た。ちょっとした景勝地のような景観である。立ち並ぶ岩の間の海のコリドーになっている場所を岩づたいに足を踏み外さないように進む。海水の浸食で所々欠けてしまっている岩のステップを渡り、洞穴のある小さな浜辺に出た。洞穴の上の方は少し断崖になっており、生えている樹木の太い根がいくつも地表に剥き出しになっている。ブッタが悟りを開いた菩提樹の樹を思わせる。洞穴は二つの縦穴が外から見えていて、中は繋がっており、さらに左右に広がっていた。洞穴の天井半分は無く断崖の樹が見えていて明かりが漏れてくる。我々はここでシガーを吸う。タバカレラ・コロナ・スマトラだ。(・・・スマトラ以外には無いであろう。ボルネオやカリマンタン等があるとすれば別であるが・・・)ここは潮の満ち引きによりここに来るまでのルートが海に閉ざされてしまう、月の陰陽の影響を受けるスポットなのである。


熊野シガー倶樂部ならではのシガーポイントだろう。帰りはやはり潮が満ちてきつつあり足を海につかりながら、帰らねばならなかった。日暮が近づいてきつつあったので我々は再び山に登り夕陽を待つことにした。シガーを吹かし少し待つ。すると曇天の雲の下と水平線の僅かな隙間に太陽が現われた。いい感じのオレンジの太陽だ。水平線に続く波間に陽光が1つづつ揺らいでいる。沈む間際の太陽は一瞬大きくなった様に見えてスッと沈んでいった。ここからのサンセットは素晴らしい。ここも熊野シガー倶樂部的スポットであった。自然が織りなすビューティフルポイントでシガーを吹かす。ネイティブアメリカンの行う神聖な儀式の如くにである。

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